第20回(令和4年度)児童・生徒科学賞受賞校概要
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山梨県立韮崎高等学校物理化学部
「カエデの種子の回転について」
カエデの種子が落下する際、一枚の羽でプロペラのように回りながら落ちるのを見て、なぜこのように落ちるのか不思議に思い、カエデの種子の回転の仕組みについて研究することにした。実験方法は実際にカエデの種子を落下させ動画を撮ったり、風洞装置を作り種子に風を当てたりして、種子の落下速度や回転数、回転の方向、落下する直前の種の向きなどを調べた。また、実物の種子から種子全体の質量と種の部分の質量の比を求め、それらをもとに模型を作成し、種子を縦や横に切った場合の回転の方向や回転数や落下速度などを測定した。研究結果から種子の回転方向は、種子の形状で決まり、落下の初期にどちらの面が上を向くかで決まることがわかった。また、模型の作成によって、種子が回転するためには、種子の種の部分と羽の部分の質量比がある範囲内にあることがわかった。
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山梨英和中学校・高等学校
「山梨県ミズダニ検索図表の作成」
本校自然科学部は2017年から水生動物と水生ダニを県下64河川の202箇所から659頭を採取飼育し、生態観察や、個体の反応や各器官の働き等の実験観察によって13科(Family)14属(Genus)を確認した(内4属は先行研究で報告済)。環境省の「水生生物による水質評価」法を準用してミズダニスコアをつけ、指標動物としての可能性を確認した。さらに各四季の捕獲調査と補完調査とによるミズダニスコアの再計算値を基準にして県内河川の水質評価を実施した。今回は同定のノウハウを生かしミズダニの検索手順を提示し、わかり易い写真とスケッチ図を合わせた「山梨県ミズダニ図表」(試案)として発表した。