第10回(平成24年度)児童・生徒科学賞受賞校概要
○小学校の部 北杜市立日野春小学校 「オオムラサキの飼育・観察」
校庭の東にあるオオムラサキ観察小屋には幼虫が葉を食べるエノキが植えてあり、第3学年の児童が、総合的な学習の時間に飼育と観察を行ってきた。地元の「オオムラサキに親しむ会」やオオムラサキセンターから幼虫を譲り受けて小屋の中に放し、児童は幼虫の成長していく様子やさなぎを観察し、定期的な記録をとり、夏には約20匹のオオムラサキを放すことができた。
また、親しむ会の方々と一緒にエノキや成虫が蜜を吸うクヌギの苗木にリボンを付ける活動を行うなど、地域と一体となった科学学習を行っている。
○中学校の部 (該当なし)
○高等学校の部 山梨県立韮崎高等学校 自然科学部
「キイロショウジョウバエの生育とストレス応答の解析」
キイロショウジョウバエをさまざまな飼育環境に置くと、個体群の密度や生活空間の広さによって酸化ストレス状態が変化し、羽化個体数が変動することを実験により示した。上記研究を積み重ね、地道ではあるが、分子生物学的手法を使って、統計検定も用い、実験データの有意差にも言及するなど、キイロショウジョウバエの研究者からも高く評価されている。
研究成果は、山梨県高等学校生徒の自然科学研究発表大会、全国高等学校総合文化祭ポスター発表部門等で発表してきた。特に平成23年度には、全国高等学校総合文化祭ポスター発表部門最優秀賞・文部科学大臣賞、第1回高校生バイオサミット(慶応大学・山形)では全国上位10研究に選ばれ審査員特別賞、山梨県高等学校芸術文化祭生徒の自然科学研究発表大会では生物部門1位、芸術文化祭賞 全部門最優秀山梨科学アカデミー賞を受賞した。また平成24年度も、第2回高校生バイオサミット審査員特別賞、第36回全国高等学校総合文化祭ポスター発表部門で奨励賞(全国6位相当)を受賞するなど、大きな成果を挙げている。